趣味の乗馬は金持ちしか無理?気になる費用と始め方をやさしく解説

趣味

「趣味は乗馬です」と聞くと、「お金持ちで優雅な趣味」というイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。ドラマや映画の影響で、敷居が高いと感じてしまうかもしれませんね。しかし、実際には乗馬は特別な富裕層だけのものではなく、多くの人が気軽に楽しんでいる趣味の一つです。

この記事では、「乗馬=金持ち」というイメージの真相から、実際にかかる費用、初心者でも安心して始められるステップ、そして乗馬がもたらす心と体への素晴らしい効果まで、わかりやすく解説していきます。この記事を読めば、乗馬がもっと身近なものに感じられ、「自分も始めてみたい!」と思っていただけるはずです。

趣味の乗馬は金持ちだけのもの?気になる費用感を徹底解説

乗馬に対して多くの人が抱く「お金がかかりそう」というイメージ。まずはその実態について、費用の内訳を詳しく見ていきましょう。楽しみ方によって費用は大きく変わるため、自分に合ったスタイルを見つけることが大切です。

なぜ「乗馬=金持ち」のイメージがあるのか?

「乗馬」と聞くと、多くの人が「お金持ちのスポーツ」という印象を抱くのには、いくつかの理由があります。歴史的に見ると、乗馬は古くから貴族や上流階級のたしなみとされてきました。オリンピック競技などで見られる、燕尾服にシルクハットといった格調高い服装のイメージも、その印象を強めている一因でしょう。

また、最も大きな要因は、馬を「個人で所有する」場合の莫大な費用です。 馬の購入費はもちろんのこと、毎月の預託料(馬を預かってもらう費用)、エサ代、装蹄(そうてい)代(馬の蹄鉄を交換する費用)、獣医代など、維持費だけでも年間数百万円以上かかることも珍しくありません。こうしたトップレベルの乗馬スタイルが「乗馬=金持ち」のイメージを作り上げてきました。

しかし、

現在、趣味で乗馬を楽しむ人のほとんどは、乗馬クラブが所有している馬に乗る「クラブ会員」というスタイルです。

この方法であれば、馬を個人で所有する必要がないため、費用は格段に抑えられ、一般的な会社員の方でも十分に楽しむことが可能です。

【初期費用】乗馬を始めるのに最初にかかるお金

乗馬を本格的に趣味として始める場合、まず「初期費用」が必要になります。主な内訳は「入会金」「道具代」です。

1. 入会金
多くの乗馬クラブでは、会員として継続的にレッスンを受けるために入会金制度を設けています。金額はクラブの規模や設備、立地によって様々ですが、おおよそ10万円~30万円前後が一般的です。 時期によっては入会金が割引になるキャンペーンを実施しているクラブもあるので、こまめに情報をチェックすると良いでしょう。

2. 道具代
安全に乗馬を楽しむためには、専用の道具が必要です。初心者が最初に揃えたい基本的なアイテムと費用の目安は以下の通りです。

道具の種類 費用の目安 備考
ヘルメット 8,000円~ 落馬時の頭部保護に不可欠。安全基準を満たしたものを選びましょう。
ブーツ 11,000円~ 足首を保護し、鐙(あぶみ)を踏みやすくします。ショートブーツとチャップス(すね当て)の組み合わせが初心者には人気です。
キュロット(乗馬用ズボン) 15,000円~ 鞍と擦れる部分が補強されており、伸縮性に優れています。
グローブ(手袋) 1,000円~ 手の保護と滑り止めのために必要です。最初は軍手でも代用可能です。
ボディプロテクター 10,000円~ 落馬時の胸部や背中の衝撃を和らげます。特に初心者のうちは着用が推奨されます。

これらの道具をすべて揃えると、合計で45,000円~が目安となります。乗馬用品店では、これらがセットになった初心者向けのスターターキットも40,000円~70,000円程度で販売されており、お得に揃えることができます。 もちろん、初めはクラブでレンタル(1回2,000円~3,000円程度)も可能なので、続けられるか不安な方はレンタルから始めるのがおすすめです。

【月々の費用】継続するために必要なお金

初期費用に加えて、乗馬を続けるためには月々の費用がかかります。これは主に「月会費」「騎乗料」で構成されます。

1. 月会費
月会費は、クラブの施設維持や馬の管理、指導料などに充てられる費用です。多くの乗馬クラブでは、毎月10,000円~20,000円程度に設定されています。 これは、ゴルフやフィットネスジム、英会話教室など、他の習い事と比較しても決して高すぎる金額ではありません。

2. 騎乗料
騎乗料は、1回(1鞍/ひとくら、約45分)馬に乗るごとに発生する料金です。 料金はレッスンの形式(マンツーマンかグループか)や曜日(平日か土日祝か)によって異なります。

  • グループレッスン(平日): 2,000円~3,000円程度
  • グループレッスン(土日祝): 3,000円~4,000円程度
  • 個人レッスン: 5,000円~10,000円程度

例えば、月会費15,000円のクラブで、平日に月4回(週1回)グループレッスンを受ける場合、月々の費用は約25,000円~27,000円**(15,000円+2,500円×4回)となります。 このように、自分のペースや予算に合わせて無理なく続けることが可能です。

楽しみ方で変わる!目的別の費用シミュレーション

乗馬にかかる費用は、どのような目的で楽しむかによって大きく変わります。ここでは、いくつかのモデルケースを想定して、月々にかかる費用のシミュレーションをしてみましょう。

【ケース1】健康維持やリフレッシュ目的で、月に2回楽しみたいAさん

  • スタイル: 平日休みを利用して、のんびり乗馬を楽しみたい。
  • 月会費: 16,500円
  • 騎乗料: 2,200円(平日)× 2回 = 4,400円
  • 合計:月額 約20,900円

【ケース2】本格的に上達を目指し、週に1回は必ず乗りたいBさん

  • スタイル: 土日を中心にレッスンを受け、ライセンス取得も視野に入れている。
  • 月会費: 16,500円
  • 騎乗料: 3,300円(土日祝)× 4回 = 13,200円
  • 合計:月額 約29,700円

【ケース3】競技会への出場を目指すCさん

  • スタイル: 週に2回以上のレッスンに加え、個人レッスンも受ける。
  • 月会費: 16,500円
  • 騎乗料: 3,300円(土日祝)× 8回 = 26,400円
  • その他: 競技会参加費、馬の輸送費、専用の道具代などが別途必要。
  • 合計:月額 42,900円~

このように、趣味として楽しむ範囲であれば、月に2万円~4万円程度の予算で十分に可能です。 決して「金持ち」でなければできない趣味ではないことがお分かりいただけたのではないでしょうか。

乗馬を趣味にするメリットとは?心と体への嬉しい効果

乗馬は、ただ馬に乗って楽しむだけでなく、私たちの心と体に多くの素晴らしい効果をもたらしてくれます。ここでは、乗馬を趣味にすることで得られる代表的なメリットをご紹介します。

動物とのふれあいがもたらす癒やし効果

乗馬の最大の魅力の一つは、なんといっても馬という大きく賢い動物と心を通わせられることです。馬は非常に穏やかで敏感な動物であり、人間との長い歴史の中でパートナーとして共生してきました。 馬の世話をしたり、背中に乗ってその温もりや優しい揺れを感じたりすることで、日々のストレスが和らぎ、心が穏やかになる「アニマルセラピー」と同様の効果が期待できます。

実際に、馬とのコミュニケーションは精神的な安定や自己肯定感の向上、孤独感の解消など、心の健康に良い影響を与えることが分かっています。 かわいい馬の瞳に見つめられたり、鼻をすり寄せてきたりする仕草は、何物にも代えがたい癒やしを与えてくれるでしょう。

楽しみながらできる全身運動と健康効果

「乗馬はただ座っているだけ」と思われがちですが、実は全身を使う非常に効果的なエクササイズです。 馬の動きに合わせてバランスを取ろうとすることで、無意識のうちに体幹(インナーマッスル)が鍛えられます。

体幹が強化されると、日常生活での姿勢が自然と美しくなります。 猫背が改善されるだけでなく、背筋が伸びることで肩こりや腰痛の解消にもつながります。 また、馬の揺れに対応するためには、腹筋、背筋、太ももの内側の筋肉(内転筋)など、普段あまり使わない筋肉をたくさん使います。 これにより、基礎代謝がアップし、シェイプアップやダイエット効果も期待できるのです。有酸素運動と筋力トレーニングの両方の要素を兼ね備えているため、楽しみながら健康的な体づくりができます。

日常を忘れる爽快感とストレス解消

馬の背に揺られて馬場を歩いたり、少しスピードを上げて走ったりすると、普段の生活では決して味わえない視点の高さと心地よい風を感じることができます。この非日常的な体験は、最高の気分転換になります。

特に、屋外の馬場で自然の光や風を感じながら行う乗馬は、心身をリフレッシュさせるのに最適です。目の前の馬のことだけに集中することで、仕事や家庭の悩み事を一時的に忘れる「マインドフルネス」のような効果も得られます。 乗馬が終わった後の爽快感は格別で、多くの人がストレス解消の効果を実感しています。

年齢を問わず続けられる生涯スポーツ

乗馬は、他のスポーツのように瞬発力や激しい筋力をあまり必要としないため、年齢や性別に関係なく楽しめる生涯スポーツです。 実際に、乗馬クラブには小学生から80代の方まで、幅広い年代の人たちが集まっています。

若い頃にやっていたスポーツを年齢と共に続けるのが難しくなったという方でも、乗馬なら無理なく長く続けることができます。また、乗馬という共通の趣味を通じて、世代を超えた新しい友人や仲間ができるのも大きな魅力です。 学校や職場とは違うコミュニティで、新たな人間関係を築くことができるでしょう。

初心者でも安心!乗馬の始め方完全ガイド

「乗馬に興味はあるけど、何から始めたらいいかわからない…」という方のために、ここからは初心者でも安心して乗馬をスタートできる具体的なステップをご紹介します。

まずは「体験乗馬」で馬に触れてみよう

本格的に乗馬クラブへ入会する前に、まずは「体験乗馬」に参加してみることを強くおすすめします。 ほとんどの乗馬クラブでは、初心者向けに1回3,000円~15,000円程度で体験レッスンを用意しています。

体験乗馬では、インストラクターがマンツーマンで丁寧に指導してくれるので、馬に触るのが初めての方でも全く心配いりません。 馬の乗り降りから、手綱の持ち方、基本的な合図の出し方(進む、止まる)などを学び、実際に馬に乗って歩く(常歩/なみあし)ところまでを体験できます。

体験乗馬に参加するメリットは、乗馬の楽しさを実感できるだけでなく、その乗馬クラブの雰囲気や施設の様子、指導員の教え方などを自分の目で確かめられることです。

続けられそうかどうかを判断する絶好の機会なので、気になるクラブがあれば気軽に申し込んでみましょう。

自分に合った乗馬クラブの選び方

体験乗馬で「もっと続けてみたい!」と感じたら、次はいよいよ乗馬クラブ選びです。長く楽しく続けるためには、自分に合ったクラブを見つけることが非常に重要です。以下のポイントをチェックしてみましょう。

  • 1. 通いやすさ(アクセス)
    • 自宅や職場から無理なく通える距離か、交通手段は何かを確認しましょう。乗馬は継続することが上達への近道です。通うのが億劫にならない場所を選ぶことが大切です。
  • 2. 料金体系
    • 入会金や月会費、騎乗料など、総額でいくらかかるのかをしっかり確認しましょう。自分の予算に合っているか、料金体系が明確で分かりやすいかがポイントです。
  • 3. クラブの雰囲気や指導方針
    • 体験乗馬や見学の際に、スタッフや他の会員さんの雰囲気を観察してみましょう。 自分が楽しく過ごせそうな場所か、インストラクターの指導は丁寧で分かりやすいかどうかも重要なチェックポイントです。
  • 4. 施設の充実度と馬の健康状態
    • 馬場や厩舎(きゅうしゃ)が清潔に保たれているか、馬たちが健康で手入れが行き届いているかを確認しましょう。馬を大切に扱っているクラブは、信頼できる良いクラブである可能性が高いです。

いくつかのクラブを比較検討し、自分が納得できる場所を選ぶことが、充実した乗馬ライフを送るための第一歩です。

最初に揃えるべき服装と基本の道具

体験乗馬の際は、動きやすい長ズボン(ジーンズなど)と、かかとのある靴(スニーカーでも可)、軍手があれば十分です。ヘルメットやブーツはクラブでレンタルできます。

本格的に入会して乗馬を続ける場合は、前述したように専用の道具を揃えるのがおすすめです。

  • ヘルメット
  • キュロット(乗馬用ズボン)
  • ブーツ&チャップス
  • グローブ

自分の体に合った道具を使うことで、安全性と快適性が増し、上達も早くなります。 最初はレンタルで済ませ、続ける自信がついたら少しずつお気に入りのマイグッズを揃えていくのも楽しいでしょう。

もっと知りたい!乗馬費用を賢く抑えるコツ

乗馬は決して安価な趣味ではありませんが、工夫次第で費用を賢く抑えることが可能です。「少しでも安く楽しみたい!」という方のために、いくつかのコツをご紹介します。

公営の施設やビジター制度を活用する

1. 公営の乗馬施設を利用する
地方自治体が運営する公営の乗馬施設は、民間の乗馬クラブに比べて利用料金が比較的安価に設定されていることが多いです。例えば、JRA(日本中央競馬会)が運営する施設では、初心者向けの乗馬教室が開催されていることもあります。 お住まいの地域に公的な施設がないか、一度調べてみる価値はあります。

2. ビジター制度を活用する
ビジター制度とは、乗馬クラブの会員にならずに、騎乗料と指導料だけでレッスンを受けられるシステムのことです。 入会金や月会費がかからないため、「月に1回程度、気が向いた時に乗りたい」という方にはおすすめです。 ただし、1回あたりの騎乗料は会員よりも割高に設定されていることが多いため、月に何度も通う場合は会員になった方がお得になります。

レッスン形式や頻度を工夫する

1. グループレッスンを選ぶ
マンツーマンの個人レッスンは上達が早いというメリットがありますが、料金は高めに設定されています。一方、複数人で受けるグループレッスンは、料金が比較的リーズナブルです。まずはグループレッスンで基本を学び、特定の技術を集中して教わりたい時に個人レッスンを追加するなど、うまく使い分けるのがおすすめです。

2. 平日プランを利用する
多くの乗馬クラブでは、利用者が少ない平日の料金を土日祝よりも安く設定しています。 もし平日に休みが取れるのであれば、平日会員になったり、平日にレッスンを受けたりすることで、費用を大きく節約できます。

3. 騎乗回数券を利用する
クラブによっては、複数回の騎乗チケットをまとめた「回数券」を販売している場合があります。 1回あたりの料金が通常よりも割引になることが多いため、定期的に通う予定があるなら回数券の購入を検討してみましょう。

中古品も視野に!道具の揃え方

ヘルメットやブーツ、キュロットなどの乗馬用品は、新品で揃えるとそれなりの出費になります。費用を抑えたい場合は、中古の乗馬用品を探してみるのも一つの方法です。インターネットのフリマアプリやオークションサイト、中古馬具を取り扱う専門店などで、状態の良いものが手頃な価格で見つかることがあります。

また、乗馬クラブによっては、卒業する会員さんから譲ってもらったり、クラブ内で中古品の売買が行われていたりすることもあります。ただし、

特にヘルメットのような安全に関わる用具は、安全基準を満たしているか、大きな傷やへこみがないかを十分に確認してから購入するようにしましょう。

まずはグローブやキュロットなど、比較的試しやすいものから探してみるのが良いかもしれません。

まとめ:趣味の乗馬は金持ちでなくても楽しめる!最初の一歩を踏み出そう

この記事では、「趣味の乗馬は金持ちでないと無理?」という疑問にお答えするため、具体的な費用から始め方、そして乗馬の持つ多くの魅力について解説してきました。

確かに、馬を個人で所有するようなスタイルは多額の費用がかかりますが、乗馬クラブの会員として楽しむのであれば、他の一般的な習い事と大きく変わらない費用で始めることができます。

乗馬は、動物とのふれあいによる癒やし、楽しみながらできる全身運動、日常を忘れさせてくれる爽快感など、心と体の両面に素晴らしいメリットをもたらしてくれる奥深い趣味です。 年齢を問わず長く続けられる生涯スポーツでもあります。

もし少しでも興味が湧いたら、まずは気軽に「体験乗馬」に参加してみてください。 優しい馬の背に揺られる心地よさと感動は、きっとあなたの日常をより豊かにしてくれるはずです。

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