大切にしていたお皿やマグカップが割れてしまったとき、皆さんはどうしていますか。以前なら泣く泣く処分していたかもしれませんが、最近では「金継ぎ」という伝統技法で修復し、新たな価値を吹き込む人が増えています。「難しそう」「敷居が高い」と思われがちな金継ぎですが、実はいま、初心者でも気軽に取り組める「金継ぎセット」が数多く登場しているのをご存知でしょうか。
このセットさえあれば、特別な教室に通わなくても、自宅のテーブルで少しずつ作業を進めることができます。割れた跡を金色の線で彩ることで、器は世界に一つだけのアートとして蘇ります。この記事では、これから金継ぎを始めたいと考えている方に向けて、自分にぴったりのセットの選び方や、購入前に知っておくべきポイントを優しく丁寧に解説していきます。
金継ぎ初心者セットを選ぶ前に知っておきたい基礎知識

金継ぎを始めようと思ったとき、最初に直面するのが「どのセットを買えばいいのかわからない」という悩みです。インターネットで検索すると、数千円の手頃なものから一万円を超える本格的なものまで、多種多様なキットが出てきます。これらは単に値段が違うだけでなく、使われている材料や修復のプロセスそのものが大きく異なる場合があります。
何も知らずに購入してしまうと、「思っていたよりも作業が大変だった」あるいは「食器として使いたかったのに使えなかった」というミスマッチが起きてしまうこともあります。まずは、金継ぎセットを選ぶための土台となる基礎知識をしっかり押さえておきましょう。ここを理解することで、自分に最適なキットが見えてきます。
「本漆金継ぎ」と「簡易金継ぎ」の決定的な違い
金継ぎセットには、大きく分けて「本漆(ほんうるし)」を使用する伝統的なタイプと、合成樹脂や接着剤を使用する「簡易(かんい)」タイプの二種類が存在します。この違いは作業工程や仕上がりに直結するため、非常に重要です。本漆金継ぎは、天然の漆(うるし)を使って器を接着し、仕上げていく昔ながらの方法です。
天然素材ならではの深い味わいと耐久性が魅力ですが、漆を乾かすために湿度と時間を管理する必要があり、完成までに数週間から数ヶ月かかることも珍しくありません。一方、簡易金継ぎは、エポキシ樹脂などの現代的な接着剤や塗料を使用します。乾燥時間が短く、数日で完成するのが最大のメリットですが、風合いは本漆に比べるとやや人工的になることがあります。
どちらが良い悪いということではなく、自分が「本格的な伝統工芸を学びたい」のか、「手軽に早く直して使いたい」のかによって選ぶべきセットが変わります。パッケージに「新うるし」や「合成うるし」と書かれている場合は簡易タイプであることが多いので、購入前によく確認しましょう。
食器として使う場合の安全性と食品衛生法
割れた器を直して、再び食事に使いたいと考えている方は、「安全性」についてもしっかり確認する必要があります。特に簡易金継ぎセットに含まれる合成接着剤や塗料の中には、食品衛生法に適合していないものも存在します。これらはあくまで「観賞用」としての修復を目的としている場合があるからです。
花瓶や置物を直すのであれば問題ありませんが、口をつけるカップや汁物を入れるお椀などを直す場合は注意が必要です。本漆などの天然素材は、完全に硬化すれば人体に無害であり、古来より食器に使われてきた実績があります。簡易セットを選ぶ場合でも、「食品衛生法適合」と明記されているものを選ぶようにしてください。
安全性を無視して修復した器に熱いスープを入れたりすると、化学物質が溶け出す可能性も否定できません。長く安心して使い続けるためにも、セットに含まれる材料がどのような用途を想定しているのか、商品説明を隅々までチェックすることが大切です。
漆による肌荒れ「かぶれ」のリスクを知っておく
本漆を使用するセットを選ぶ場合に、必ず知っておかなければならないのが「漆かぶれ」のリスクです。漆の主成分であるウルシオールは、肌に付着するとアレルギー反応を引き起こし、激しい痒みや赤みを伴うかぶれを生じることがあります。体質によっては、漆の蒸気を吸い込むだけで反応する方もいらっしゃいます。
そのため、本漆金継ぎを行う際は、必ずゴム手袋やアームカバーを着用し、肌の露出を極力減らす必要があります。また、換気を十分に行うなどの対策も欠かせません。初心者セットには手袋が付属していることが多いですが、自分でも予備を用意しておくと安心です。
一方で、簡易金継ぎセットの多くは「かぶれにくい」塗料や合成樹脂を使用しているため、肌が弱い方や小さなお子様がいる家庭では、まずは簡易セットから始めるのが無難かもしれません。もちろん、本漆の美しさは格別ですので、リスクを理解した上で、十分な防護対策をして挑むのも素晴らしい選択です。
初心者向け金継ぎセットに入っている道具と材料の中身

基礎知識を身につけたら、次は具体的なセットの中身を見ていきましょう。初めての方にとっては、見慣れない道具や材料ばかりで戸惑うこともあるかもしれません。「これ一本で何ができるの?」「この粉は何?」といった疑問を解消するために、一般的な初心者セットに含まれているアイテムの役割を解説します。
セットの内容を理解していれば、届いたその日からスムーズに作業に入れますし、消耗品がなくなったときに何を買い足せば良いかもわかるようになります。ここでは、本漆金継ぎのセットを基準にしつつ、簡易セットとの違いについても触れていきます。
接着と埋めるための「漆」や「パテ」の役割
金継ぎの作業で最も基本となるのが、割れた破片同士をくっつけたり、欠けてしまった部分(欠損)を埋めたりする工程です。本漆金継ぎセットには、通常「生漆(きうるし)」という基本の漆が入っています。これを小麦粉と混ぜて接着剤(麦漆)を作ったり、土の粉と混ぜてパテ(錆漆)を作ったりします。
つまり、漆は単なる塗料ではなく、強力な接着剤としての役割も果たす万能な素材なのです。一方、簡易金継ぎセットの場合は、この役割を「エポキシ接着剤」や「エポキシパテ」が担います。チューブから出して混ぜるだけで使えるため、漆を調合する手間がなく、初心者でも失敗が少ないのが特徴です。
どちらのタイプでも、この「くっつける」「埋める」材料がセットの核となります。セットによっては、これらが最初から使いやすい状態に調整されているものもあり、初心者が挫折しやすい調合のハードルを下げてくれています。
装飾の決め手となる「金粉」や「銀粉」の種類
金継ぎという名前の通り、最後に割れ目を美しく飾るのが「金粉」や「銀粉」です。しかし、初心者セットに含まれている粉がすべて「本物の純金」であるとは限りません。価格を抑えたセットでは、真鍮(しんちゅう)粉や雲母(マイカ)を使用した「代用金粉」が含まれていることが一般的です。
本金粉は輝きが上品で変色しませんが、価格が非常に高く、扱いも繊細です。代用金粉は安価で量もたっぷり使えるため、初心者が練習するには最適ですが、時間が経つと黒ずんでくることがあります。特に真鍮粉は酸化しやすいため、仕上げにコーティングが必要な場合もあります。
セットを選ぶ際は、入っている粉が「純金」なのか「代用金」なのかを確認しましょう。もし「一生大切にしたい高価な器」を直すなら、別売りで純金粉を買い足すという選択肢もありますが、最初の練習用としては代用金粉でも十分美しい仕上がりを楽しめます。
繊細な作業を支える「筆」や「ヘラ」などの道具類
材料だけでなく、作業を行うための道具もセットには含まれています。特に重要なのが「筆」と「ヘラ」です。筆は、継ぎ目に漆を塗ったり、その上に金粉を蒔いたりするために使います。初心者セットには、極細の面相筆(めんそうふで)が入っていることが多く、これがあれば繊細なラインを描くことができます。
ヘラは、漆やパテを混ぜ合わせたり、欠けた部分に充填したりする際に使用します。プラスチック製のものから、伝統的な竹製や檜(ひのき)製のものまで様々です。竹べらはしなり具合が絶妙で、慣れてくると手放せない道具になります。
また、セットによっては、筆を洗うための油や、ヘラを掃除するための紙なども同梱されています。これらの道具は、使い終わった後の手入れ次第で寿命が大きく変わります。セットの説明書には道具のメンテナンス方法も書かれていることが多いので、作業後のお手入れまで含めて金継ぎの楽しみだと捉えましょう。
研磨や下処理に欠かせない消耗品と保護具
金継ぎの仕上がりを左右するのは、実は接着や塗装よりも「研磨」の工程だと言われています。接着した部分の段差をなくし、滑らかにするために「耐水ペーパー(紙やすり)」がセットには必ず含まれています。粗い目から細かい目まで数種類入っているセットが良いでしょう。
さらに、漆を濾すための「濾し紙(こしがみ)」や、余分な漆を拭き取るための「綿棒」や「ウエス」なども必要です。これらは消耗品なので、セットに入っている量は限られていますが、ホームセンターなどで安価に買い足すことができます。
そして忘れてはならないのが、手袋やマスキングテープなどの保護具です。作業中の器を汚さないため、そして自分の手を守るために必須のアイテムです。特に簡易セットでも、接着剤が手につくと取るのが大変なので、手袋は必ず着用しましょう。セット内容を確認する際は、こうした「地味だけど必要なもの」が揃っているかもチェックポイントです。
失敗しない金継ぎセットの選び方とチェックポイント

セットの中身がわかったところで、実際に購入する際に比較検討すべき具体的なポイントをご紹介します。数ある商品の中から「これにしてよかった!」と思えるセットに出会うためには、単に「初心者用」という言葉だけを信じるのではなく、中身の充実度やサポート体制を見極める目が必要です。
特に初めて挑戦する場合、途中でわからなくなって手が止まってしまうのが一番の懸念点です。そうならないために、どのような基準で選べばスムーズに最後まで完成させることができるのか、3つの重要なチェックポイントに絞って解説します。
解説書や動画サポートが充実しているか
金継ぎは工程が多く、文字だけの説明では理解しにくい部分が多々あります。「漆の粘度はこれくらい」「パテの硬さは耳たぶくらい」といった感覚的な表現は、写真や動画でないとなかなか伝わりません。そのため、写真付きのフルカラーテキストが付属しているか、あるいは購入者限定の解説動画が見られるかどうかが非常に重要です。
最近の初心者セットの中には、YouTubeなどの動画サイトと連動しており、スマホで手元を確認しながら作業できるものが増えています。動画であれば、筆の運び方やヘラの使い方が一目瞭然です。購入前に公式サイトなどで、どのようなマニュアルが用意されているかを確認することをおすすめします。
また、困ったときに質問できるサポート窓口があるかどうかもチェックしておくと安心です。専門店のセットであれば、メールや電話で個別の相談に乗ってくれる場合もあり、これが初心者にとっては大きな助けとなります。
修理したい器の数と材料の量が見合っているか
セットに含まれる漆や接着剤の量は、商品によってまちまちです。「お試しセット」のように小さな器1〜2個分の分量しか入っていないものもあれば、5個〜10個以上直せるような大容量のタイプもあります。自分が直したい器がどれくらいあるのか、その器の傷はどれくらいの大きさなのかを事前に把握しておきましょう。
もし、大きな丼鉢が真っ二つに割れているような場合は、それなりの量の漆やパテが必要になります。逆に、小さな欠け(ホツ)を直すだけであれば、少量のセットで十分です。初心者が最初から大量の漆を買っても、使い切る前に固まってしまうことがあるため、最初は少量のセットから始めて、足りなくなったら買い足すというスタイルが経済的です。
また、金粉の量も重要です。金粉は非常に高価なため、セットに含まれる量はわずか0.1g〜0.3g程度であることが一般的です。派手に装飾したい場合は、追加の金粉が必要になる可能性があることも頭に入れておいてください。
信頼できる販売元やブランドを選ぶ
金継ぎブームに伴い、現在は様々なメーカーからセットが販売されていますが、品質にはばらつきがあります。あまりに安価なセットの場合、筆の毛がすぐに抜けたり、漆の質が悪くて乾かなかったりするトラブルも報告されています。失敗のリスクを減らすためには、金継ぎ専門店や漆器店、あるいは東急ハンズのような大手雑貨店が監修しているセットを選ぶのが確実です。
例えば、「釣具屋さんが作った金継ぎセット」なども隠れた人気があります。釣具の補修技術は金継ぎと共通点が多く、実用的な道具が揃っているからです。また、Amazonや楽天などのレビューを確認する際は、星の数だけでなく、「説明書がわかりやすかったか」「初心者が最後まで完成させられたか」という具体的なコメントに注目しましょう。
信頼できるブランドのセットは、道具の一つひとつにこだわりがあり、使い勝手が計算されています。最初の道具が良いものであれば、上達も早くなり、金継ぎという趣味を長く楽しむことができるでしょう。
簡易金継ぎと本漆金継ぎ、自分に合うのはどっち?
ここまで読んで、「やっぱり本漆がいいのかな?」「でも手軽な簡易セットも捨てがたい」と迷っている方も多いと思います。どちらを選べば後悔しないかは、あなたのライフスタイルや性格、そして直したい器を今後どう使いたいかによって決まります。
ここでは、それぞれのメリットとデメリットを比較し、どのような人にどちらが向いているのかを明確にします。以下の内容を参考に、ご自身の希望に最も近いスタイルを選んでみてください。
簡易金継ぎの特徴まとめ
・主な材料:合成樹脂、エポキシパテ、新うるしなど
・作業期間:数日〜1週間程度
・かぶれのリスク:低い(ほぼない)
・コスト:比較的安価
簡易金継ぎが向いている人・シーン
簡易金継ぎの最大の魅力は「手軽さ」と「スピード」です。週末の休みを使ってサッと直したい方や、短気で何ヶ月も待てないという方には最適です。また、漆かぶれが心配な方や、小さなお子様がいる家庭での作業にも向いています。
さらに、ガラス製品の修復にも簡易金継ぎは威力を発揮します。本漆はガラスなどのツルツルした素材には食いつきが悪く剥がれやすいのですが、現代の強力な接着剤を使えばガラスもしっかりと接着できます。アクセサリーや置物、頻繁に洗わないインテリア雑貨などを直す場合も、簡易金継ぎで十分美しく仕上がります。
ただし、熱に弱い合成樹脂を使用している場合、電子レンジや食洗機の使用は避けたほうが無難です。「まずは雰囲気を楽しみたい」「実験的にやってみたい」というエントリー層には、この簡易タイプが最もハードルが低くおすすめです。
本漆金継ぎの特徴まとめ
・主な材料:天然漆、小麦粉、砥の粉、木粉など
・作業期間:1ヶ月〜3ヶ月程度
・かぶれのリスク:あり(対策必須)
・コスト:やや高価
本漆金継ぎが向いている人・シーン
本漆金継ぎは、時間と手間を惜しまず、本格的な伝統文化に触れたい人に向いています。「器を育てる」という感覚で、ゆっくりと修復過程そのものを楽しめる方には、至福の時間となるでしょう。天然素材のみを使用するため、口に触れる食器を直す場合の安全性は抜群です。
また、耐久性においても本漆は非常に優れています。一度硬化した漆は酸やアルカリにも強く、熱湯を注いでも問題ありません。大切にしている作家物の器や、代々受け継いできた骨董品などを直すのであれば、その器の格に見合った本漆で修復することをおすすめします。
「かぶれ」というハードルはありますが、それを乗り越えて完成したときの感動と達成感は、簡易セットでは味わえない深いものがあります。一生モノの趣味として長く続けたいと考えているなら、最初から本漆セットに挑戦する価値は大いにあります。
金継ぎセットを買った後の基本的な作業の流れ

いざセットを購入しても、実際に手を動かし始めるまでは不安が残るものです。「本当に自分にできるだろうか?」という心配を和らげるために、セットを使った基本的な作業フローをシミュレーションしてみましょう。工程は大まかに分けて「下準備」「接着・充填」「塗り・仕上げ」の3ステップです。
どのセットを買っても、この大きな流れは変わりません。ここでは、作業の全体像を掴むために、それぞれのステップで何を行うのか、どのくらい集中力が必要なのかを、分かりやすく解説していきます。流れが頭に入っていれば、説明書を読んだときの理解度も格段に上がります。
ステップ1:器の洗浄と割れ目の下処理
まず最初に行うのは、割れた器をきれいに洗うことです。汚れや油分が残っていると、接着剤や漆がうまく定着しません。中性洗剤で丁寧に洗い、しっかりと乾燥させます。古い器の場合は、煮沸消毒をしておくとさらに安心です。
次に、割れた断面のエッジ(角)を、セットに含まれているダイヤモンドやすりや耐水ペーパーで軽く削ります。これを「面取り」と言います。一見、余計な作業に思えるかもしれませんが、鋭利な角を落としておくことで、接着後の漆の食いつきが良くなり、仕上がりのラインが滑らかになります。
この段階は地味な作業ですが、ここを丁寧に行うかどうかが、最終的な完成度を左右します。焦らず、器の状態を観察しながら進めましょう。
ステップ2:接着と欠けの充填(じっくり時間をかける)
下処理が終わったら、いよいよ接着です。本漆の場合は小麦粉と漆を練り合わせた「麦漆(むぎうるし)」を、簡易セットの場合は接着剤を断面に塗り、破片同士を貼り合わせます。ズレないようにマスキングテープでしっかりと固定し、説明書にある指定の時間、乾燥させます。
破片がない「欠け」の部分には、パテを使って埋めていきます。本漆なら「錆漆(さびうるし)」、簡易ならパテ材を使用します。一度に厚く埋めると中まで乾かないことがあるので、深い欠けの場合は数回に分けて薄く重ねていくのがコツです。
乾燥後は、はみ出した接着剤や盛り上がったパテをカッターややすりで削り取り、器の表面とフラットになるように整えます。指で触って段差を感じなくなるまで、丁寧に研磨を繰り返します。この「乾燥」と「研磨」の繰り返しが、金継ぎの中で最も時間を要するパートです。
ステップ3:漆塗りから金粉蒔きで仕上げる
形が整ったら、修復部分の上に仕上げ用の漆を薄く塗ります。このラインがそのまま金継ぎの「景色」となるので、息を止めて集中し、美しい線を描きましょう。筆の太さや漆の量で表情が変わる、最も緊張感があり、かつ楽しい瞬間です。
漆を塗った直後、あるいは少し乾き始めたタイミングで、上から金粉(または銀粉)を蒔きます。真綿(まわた)や柔らかい筆を使って、粉を優しく乗せていくイメージです。粉が漆に定着すると、それまでの黒や茶色のラインが一気に華やかな金色に変わり、器が見事に蘇ります。
最後にしっかりと乾燥させ、余分な粉を払い落とし、必要であれば保護のためのコーティングをして完成です。簡易セットなら数日後、本漆なら数週間後から実際に使用できるようになります。初めて使ったときの喜びは、言葉では言い表せない特別な体験となるでしょう。
金継ぎ初心者セットで器を直す喜びを体験しよう

金継ぎ初心者セットについて、選び方の基本から実践的な作業の流れまでをご紹介してきました。かつては職人だけの技術だった金継ぎも、便利なセットの登場によって、誰でも自宅で楽しめる身近な趣味へと変化しています。大切なのは、最初から完璧を目指さないことです。
多少線が歪んでも、金粉が少しムラになっても、それは「あなたが手をかけた証」として、器の新たな個性になります。割れてしまった悲しい記憶が、自分の手によって美しいアートとして生まれ変わる瞬間は、何にも代えがたい感動があります。
まずは自分の目的に合ったセットを一つ選んでみてください。本漆でじっくり取り組むのも、簡易セットで手軽に直すのも、どちらも素晴らしい選択です。壊れた器を直す時間は、忙しい日常の中で心を整える豊かな時間になるはずです。ぜひ、金継ぎの世界へ第一歩を踏み出してみてください。


