レザークラフトは、使うほどに味わいが増す自分だけの革製品を作れる素晴らしい趣味です。しかし、いざ始めようと思っても「専用の道具をたくさん揃えなければならないのでは?」「材料の革が高そう」と、費用面で不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、新しい趣味としてレザークラフトを検討している方に向けて、初期費用からランニングコスト、予算を抑えるコツまでを分かりやすく解説します。初心者の方がまず何から揃えるべきか、具体的な金額を交えてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
自分の手で丁寧に作り上げた革小物は、既製品にはない愛着が湧くものです。コストを賢く管理しながら、一生モノのスキルを身につける第一歩を踏み出してみましょう。それでは、レザークラフトの費用の世界を詳しく見ていきましょう。
レザークラフトの趣味を始めるための初期費用と内訳

レザークラフトを趣味としてスタートさせる際、最初にどれくらいの予算が必要なのかを知ることはとても大切です。結論から申し上げますと、最低限の道具を揃えるだけであれば、5,000円から10,000円程度で始めることが可能です。
もちろん、最初から本格的なプロ仕様の道具をすべて揃えようとすれば数万円の費用がかかりますが、まずは「作ること」の楽しさを知る段階であれば、手頃な価格帯からスタートするのがおすすめです。ここでは、初期費用の内訳を4つのポイントに分けて詳しく解説します。
初心者セットを購入する場合の費用感
レザークラフトを最も手軽に、かつ安く始める方法は「初心者用スターターキット」を購入することです。多くのメーカーから販売されているこれらのセットには、針、糸、穴あけ道具、接着剤、仕上げ剤など、基本的な道具が一通りパッケージ化されています。
スターターキットの価格相場は、内容の充実度によって異なりますが、おおよそ5,000円から8,000円程度が一般的です。バラバラに買い揃えるよりも2割から3割ほど安く設定されていることが多く、買い忘れの心配がないのも大きなメリットと言えるでしょう。
ただし、安すぎるセットには注意が必要です。あまりに安価なものは刃物の切れ味が悪かったり、道具の耐久性が低かったりすることもあります。国内の有名メーカー(クラフト社やSEIWAなど)が監修しているセットを選べば、失敗が少なく、長く使い続けることができます。
また、セットの中には練習用の革の端切れが同梱されているものもあります。届いたその日からすぐに作業を始められるため、何を選べばいいか迷っている方にとっては、最もコストパフォーマンスの良い選択肢となります。
単品で必要な道具を揃える場合の予算
「自分が必要なものだけをこだわりを持って選びたい」という方は、単品で道具を買い揃えることになります。この場合、最低限必要なもの(カッター、菱目打ち、木槌、ゴム板、針、糸)を揃えるだけで、予算は10,000円から15,000円ほど見ておくと安心です。
単品購入の良さは、自分の手に馴染む道具を厳選できる点にあります。例えば、カッターは家にあるもので代用し、その分「菱目打ち(穴をあける道具)」には少し良いものを選ぶといった調整が可能です。道具を一つひとつ選ぶ過程も、趣味としての楽しみを深めてくれます。
専門店や大手通販サイトで価格を比較しながら揃えることになりますが、送料を考慮すると、一度にまとめて注文するのが賢い方法です。初期投資はセットより高くなりがちですが、後から「結局買い直した」という無駄を減らせる可能性もあります。
特に長く続けたいと考えているなら、最初は基本的な5点程度の道具から始め、作品の難易度が上がるにつれて特殊な道具を買い足していくスタイルが、最も家計に優しく、モチベーションも維持しやすいでしょう。
材料(革)の購入にかかる費用の目安
道具を揃えたら、次は材料となる「革」の費用が必要です。革は「デシ(ds)」という単位で取引されます。1デシは10cm×10cmの正方形の面積を指します。牛革の種類や加工方法によって異なりますが、1デシあたり100円から200円程度が相場です。
最初は大きな1枚の革(半裁といいます)を買うのではなく、あらかじめ使いやすいサイズにカットされた「切り革」や「端切れ(ハギレ)セット」を購入するのがおすすめです。ハギレセットであれば、1,000円から2,000円程度でたくさんの種類の革を手に入れることができます。
小さなコインケースやキーホルダーを作るのであれば、数百円分の革で十分に足りる計算になります。レザークラフトは、材料費自体はそれほど高価ではありません。特に練習段階では、傷があったり形が不揃いだったりする安価な革を積極的に活用しましょう。
一方で、コードバン(馬の臀部の革)やブライドルレザーといった高級な革を使いたい場合は、1デシあたり500円を超えることもあります。これらは技術が向上してからのお楽しみとして取っておき、まずは手頃な牛ヌメ革から始めるのが費用を抑えるポイントです。
あると便利な周辺機器や収納用品のコスト
道具や材料以外にも、快適に作業を進めるために必要な周辺アイテムがあります。例えば、作業台を保護するためのカッティングマットや、道具を整理するためのツールラック、作業場所を明るく照らすデスクライトなどです。
カッティングマットは100円ショップでも手に入りますが、A3サイズ程度のしっかりしたものを揃えると、1,500円から2,000円程度かかります。また、木槌の音を軽減するための防音マットや大理石の板なども、集合住宅で作業する場合には検討が必要なアイテムです。
収納用品については、最初から高価なケースを買う必要はありません。100円ショップのクリアケースや引き出しを利用すれば、数百円で綺麗にまとめることができます。道具が増えてくると管理が大変になるため、最初からある程度の収納スペースを確保しておくと良いでしょう。
これらの周辺機器に掛ける費用は、トータルで3,000円から5,000円程度を見込んでおけば、非常に快適な作業環境を整えることができます。自分の部屋の一部をアトリエのようにしていく楽しみも、レザークラフトという趣味の魅力の一つです。
レザークラフトを始めるために最低限必要な道具一覧

費用感が分かったところで、具体的にどのような道具が必要なのかを整理しましょう。レザークラフトの工程は大きく分けて「裁断」「穴あけ」「縫製」「仕上げ」の4つです。それぞれの工程で、代用が効くものと、専用の道具を用意すべきものがあります。
最初からすべての工程のプロ用ツールを揃える必要はありません。基本を押さえた道具があれば、立派な作品を完成させることができます。ここでは、これだけは揃えておきたいマストアイテムを、役割ごとに分けて詳しく解説していきます。
【最低限揃えたい基本道具チェックリスト】
・別ち(裁断用カッター)またはカッターナイフ
・菱目打ち(2本目、4本目など)
・木槌(またはゴムハンマー)
・ゴム板(穴あけ時の下敷き)
・手縫い針(レザークラフト専用)
・手縫い糸(ロウ引きされたもの)
・接着剤(白ボンドやG17など)
・トコノール(床面・コバの仕上げ剤)
裁断・カットに使う基本的なツール
革を型紙通りに切り抜く作業は、作品の出来栄えを左右する非常に重要な工程です。本格的な道具として「革包丁」がありますが、初心者が最初から使いこなすのは難しく、研ぎなどのメンテナンスも必要になるため、まずはカッターナイフで代用しても構いません。
ただし、普通の事務用カッターよりも、刃が厚くしっかりとした「特専黒刃」などの切れ味の鋭いものを選ぶのがコツです。革は意外と硬く、切れ味が悪いと断面がガタガタになってしまいます。厚い革を切る場合は、一度で切ろうとせず、何度か刃を滑らせるようにして切ると綺麗に仕上がります。
また、型紙を自作する場合には、厚紙や工作用紙が必要です。型紙を革に写すための「丸ギリ」もあると便利です。丸ギリは100円ショップでも購入できますし、型紙を銀ペン(革用のペン)でなぞる方法もあります。まずは家にあるものを最大限活用し、カット作業に慣れることから始めましょう。
裁断時に欠かせないのがスチール定規(金属製の定規)です。プラスチック製の定規だと、カッターの刃が食い込んで定規自体を削ってしまう恐れがあるため、必ず金属製を用意してください。30cm程度のものがあれば、ほとんどの小物作りに対応できます。
縫い穴をあけるための打ち具とマット
革は布のように針が簡単に通りません。そのため、あらかじめ「菱目打ち(ひしめうち)」という道具を使って、縫い糸を通すための穴をあける必要があります。これがレザークラフト最大の特徴であり、美しい縫い目を作るための肝となる作業です。
菱目打ちは、先端の刃の数によって「1本目」「2本目」「4本目」などがあります。最初は、直線用に4本目、カーブ用に2本目の2種類を揃えるのが一般的です。これらを叩くための「木槌」または「ゴムハンマー」もセットで必要になります。木槌は、道具を痛めにくい専用のものを選ぶと良いでしょう。
穴をあける際には、机を保護し、刃先を守るための「ゴム板」を必ず下に敷きます。このゴム板をケチって適当な板で代用すると、菱目打ちの刃が欠けてしまったり、穴が綺麗にあかなかったりするため、専用品を購入することをおすすめします。
この工程はトントンという打撃音が発生します。もし夜間に作業をする場合や騒音が気になる環境であれば、菱目打ちを使わずに穴をあけることができる「ハンドプレス機」という道具もありますが、こちらは初期費用が1万円以上プラスされるため、状況に合わせて検討してください。
縫製に欠かせない針と糸の種類
穴をあけた後は、いよいよ革を縫い合わせる「手縫い」の工程です。レザークラフトで使う針は、布用とは異なり、先端が丸まっているのが特徴です。すでにあいている穴に通すだけなので、鋭利である必要がないのです。そのため、指を刺す心配が少なく、安全に作業できます。
針の価格は10本入りで数百円程度と非常に安価です。糸については、摩擦に強く耐久性のあるポリエステル製や麻糸が使われます。最も初心者におすすめなのは、あらかじめワックスが塗られている「ロウ引き糸(ビニモMBTなど)」です。ロウが塗ってあることで、糸のほつれを防ぎ、スムーズに縫い進めることができます。
糸の太さも様々ですが、最初は汎用性の高い「5番」や「8番」あたりの太さを選ぶと、どんな作品にも合わせやすいでしょう。色は革と同系色にすれば目立ちにくく、あえて違う色にすればステッチがアクセントになります。糸は一巻あればかなりの数の作品を作れるため、ランニングコストは非常に低く抑えられます。
縫い方にもレザークラフト独特のルールがあります。2本の針を使い、左右から交互に糸を通す「サドルステッチ」という技法が基本です。この縫い方をマスターすれば、ミシン縫いよりも丈夫で、万が一どこかの糸が切れても解けにくい頑丈な革小物が作れるようになります。
費用を抑えてレザークラフトを楽しむための賢いコツ

趣味を長く続けるためには、いかにコストをコントロールしながら楽しむかが重要です。レザークラフトはお金がかかるイメージを持たれがちですが、工夫次第で出費を大幅に抑えることができます。ここでは、賢く節約しながら技術を磨くためのコツをご紹介します。
特に初期段階では「本当に自分に合っているか」を確かめる期間でもあるため、最初から全力を出してお金をかける必要はありません。代替品の活用や、材料の選び方を工夫することで、浮いたお金を次に作りたい作品の高級な革代に回すことも可能です。
100円ショップや家にあるもので代用する
レザークラフトの専門道具の中には、100円ショップで売られている日用品で十分に代用できるものがたくさんあります。例えば、接着剤を塗るための「ヘラ」や、革の銀面(表面)を掃除する「クリーナー」、さらには「カッターマット」や「ゴムハンマー」なども100均で調達可能です。
また、型紙を写すための丸ギリや、糸を切るためのハサミ、革の厚さを測るための定規なども、家にあるもので間に合います。最初からすべてを「レザークラフト専用」という名前の付いた高価な道具で揃える必要はありません。使えるものは何でも使うという精神が、賢い趣味の楽しみ方です。
ただし、先ほども触れたように「菱目打ち」や「革用の針」などは、やはり専用品の方が圧倒的に作業効率が良く、仕上がりも綺麗になります。何でもかんでも代用するのではなく、「仕上がりに直結する道具は専用品、それ以外は代用品」というメリハリをつけることが重要です。
100円ショップのハンドメイドコーナーを覗いてみると、レザークラフトに使える金具やカシメ、バネホックなども売られていることがあります。練習用の作品であれば、これらの安価なパーツを積極的に活用して、コストを最小限に抑えていきましょう。
端切れ(ハギレ)パックを活用して練習する
レザークラフトの材料費で最も大きな割合を占めるのが革の購入費用です。初心者のうちは失敗も多いため、高価なブランド革を切り刻むのは勇気がいりますし、経済的なダメージも大きくなります。そこで活用したいのが、レザークラフト専門店が販売している「ハギレパック」です。
これは、鞄や財布を作った際に出る余った革を袋詰めにしたもので、牛革だけでなく、山羊革や豚革など様々な種類が混ざっていることもあります。数百円から2,000円程度で、かなりのボリュームが入っており、小物作りや縫製の練習には最適の素材です。
ハギレの魅力は、自分では選ばないような色や質感の革に出会えることです。パッチワークのように組み合わせてオリジナリティ溢れる作品を作るのも楽しいものです。また、ハギレの中には時折、驚くほど質の良いヌメ革が混ざっていることもあり、宝探しのような感覚で楽しめます。
通販サイトだけでなく、実店舗のレザークラフトショップや、地域のクラフトイベントでもハギレはよく販売されています。こうした機会を逃さずチェックして、安く材料をストックしておくことが、趣味を無理なく続ける秘訣となります。
最初はシンプルなキットから始めてみる
「どんな道具が必要か考えるのが面倒」「いきなり型紙から作るのは難しそう」という方には、材料がすべてカットされ、穴あけも済んでいる「レザークラフトキット」からのスタートがおすすめです。これは道具ではなく、一つの作品を作るための材料セットを指します。
例えば、コインケースやパスケースのキットであれば、1,000円から2,000円程度で購入できます。説明書通りに縫い合わせるだけで完成するため、達成感を味わいやすく、レザークラフトの流れを短時間で把握することができます。道具も針と糸だけあれば作れるタイプが多く、初期投資を極限まで抑えられます。
キットを通じて「自分は縫う作業が好きなのか」「革の質感を楽しみたいのか」といった自分の適性を確認できます。もし自分に合わないと感じても、数千円の出費で済むためリスクが低いです。逆に楽しさを実感できたら、そこから本格的な道具を揃えていくステップアップが理想的です。
最近では、非常にデザイン性の高いおしゃれなキットも増えています。完成したものを実際に自分で使うことで、革製品の耐久性や経年変化(エイジング)を身近に感じることもできます。まずは一つ、小さなキットを完成させてみることから始めてみてはいかがでしょうか。
節約のコツ!
フリマアプリやオークションサイトでは、挫折してしまった人がセットで道具を安く出品していることがあります。中古品に抵抗がなければ、そういった場所で一式を揃えるのも大きな節約になります。
継続して趣味を楽しむためのランニングコスト

レザークラフトを一度始めた後、継続していくためにはどの程度の費用がかかるのでしょうか。初期費用は目に見えやすいですが、継続コスト(ランニングコスト)は意外と見落としがちです。しかし、実はレザークラフトは他の趣味と比較しても、維持費がかなり安い部類に入ります。
一度道具を揃えてしまえば、あとは「革」と「消耗品」を補充するだけです。大きな作品を作らなければ、月に数千円程度の予算でも十分に楽しむことができます。ここでは、継続的に発生する主な費用について詳しく掘り下げていきましょう。
消耗品(糸、接着剤、仕上げ剤)の補充費用
作業を進めるうちに、糸や接着剤などはなくなっていきます。しかし、これらはどれも数百円から千円程度で購入でき、一度買うと長期間持ちます。例えば、レザークラフトで定番の仕上げ剤「トコノール」は、1瓶1,000円以下で購入できますが、小さな作品であれば数十個作っても使いきれないほどの量が入っています。
接着剤も、大容量のものを購入すれば非常に経済的です。白ボンド(ゴム系接着剤)などは、数ヶ月に一度補充する程度で済みます。糸についても、一巻数百メートルのものを購入すれば、当分の間、買い足す必要はありません。このように、消耗品一つの単価が安く、かつ長持ちするのがレザークラフトの強みです。
気をつけたいのは、接着剤の乾燥や仕上げ剤の劣化です。長期間放置すると使えなくなってしまうため、自分の作業頻度に合わせて適切なサイズを購入するようにしましょう。無駄なく使い切ることも、ランニングコストを抑えるためには大切な考え方です。
また、穴あけに使う菱目打ちの刃先を磨くための「ミシン油」や「研ぎ器」なども消耗品に含まれますが、これらも一度揃えれば数年は使えます。日々のちょっとしたメンテナンスが道具の寿命を延ばし、結果的に余計な買い替え費用を抑えることに繋がります。
新しい型紙やデザインの入手方法と費用
オリジナルの作品を作りたいとき、必要になるのが「型紙」です。自分でデザインする場合は、工作用紙やクリアファイルなどを加工して型紙を作りますが、この材料費は数十円から数百円程度と非常に安価です。100円ショップの工作コーナーで手に入るもので十分対応できます。
プロが作成した精密な型紙が欲しい場合は、型紙専門の販売サイトや、レザークラフトの技法書を購入することになります。技法書は1冊2,000円から3,000円程度しますが、複数の作品の型紙がついているため、一つあたりのコストは低くなります。最近では、PDF形式の型紙を数百円でダウンロード購入できるサービスも人気です。
さらに、無料で型紙を公開しているブログやYouTubeチャンネルも多数存在します。これらを活用すれば、型紙代を完全にゼロに抑えることも可能です。最初は無料の型紙で練習し、徐々に自分の好みに合わせたアレンジを加えていくのが、賢い楽しみ方と言えるでしょう。
型紙は一度作ってしまえば何度でも再利用できるため、同じデザインの財布を色違いで作る際などには追加費用がかかりません。お気に入りのデザインをいくつか持っておくことで、低コストでハイクオリティな作品を量産できるようになります。
道具のメンテナンスにかかるメンテナンス代
道具を長く、そして良い状態で使い続けるためにはメンテナンスが欠かせません。レザークラフトの道具は金属製が多く、錆びさせないためのケアが必要です。主なメンテナンス用品としては、ミシン油、研ぎ石、青棒(研磨剤)などが挙げられます。
革包丁や菱目打ちの切れ味が落ちてくると、作業効率が悪くなるだけでなく、革を傷めてしまう原因にもなります。研ぎ石はしっかりしたものを揃えると3,000円から5,000円ほどしますが、一度買えば一生モノです。また、日常的な手入れであれば、1,000円程度の「ピカール」などの研磨剤で十分対応できます。
道具をメンテナンスする時間は、自分の技術を振り返る大切な時間でもあります。道具を大切に扱うことで、愛着が湧き、より丁寧に作品を作ろうという気持ちが芽生えます。メンテナンス代は「必要経費」というよりも、趣味の質を高めるための「投資」と捉えるのが良いでしょう。
もし自分で研ぐのが不安な場合は、専門業者に研ぎを依頼することもできますが、1回につき1,000円前後の費用がかかります。長期的に見れば、自分でメンテナンス技術を身につける方が安上がりですし、レザークラフトのスキルアップにも繋がるため、ぜひ挑戦してみてください。
レザークラフトで作れるアイテムと難易度別の費用感
レザークラフトの醍醐味は、自分のスキルに合わせて作れるアイテムの幅を広げていけることです。初心者から上級者まで、アイテムごとに必要となる革の量や製作時間は異なります。ここでは、代表的なアイテムを難易度順に挙げ、それぞれの費用目安をご紹介します。
自分が今どのレベルにいて、次に何を作りたいかをイメージすることで、必要な予算の計画が立てやすくなります。特に大きな作品に挑戦する際は、材料費もそれなりに高くなるため、計画的に材料を揃えていくことが挫折しないコツです。
まずは手軽に作れるキーホルダーやコースター
レザークラフトの入門として最適なのが、キーホルダーやコースターなどの小物です。これらは構造が非常にシンプルで、縫う距離も短いため、初心者でも1時間から2時間程度で完成させることができます。必要となる革の面積もごくわずかです。
費用面で見ると、材料費は数百円程度で済みます。ハギレパックに入っている革を使えば、実質数十円で作れることもあります。金具として二重リングやナスカンが必要になりますが、これらも100円ショップや手芸店で安く手に入ります。失敗を恐れずに何度も作れるのが、小物の良いところです。
こうした小物作りを通じて、革をまっすぐ切る技術や、等間隔に穴をあける感覚を養うことができます。また、コバ(革の断面)を磨いてツヤを出す楽しさを知るのにも、ちょうど良いサイズ感です。最初は身近な人へのちょっとしたプレゼントとして、こうした小物から作り始めてみましょう。
シンプルな中にも、刻印で名前を入れたり、ステッチの色を工夫したりすることで、オリジナリティを出す楽しみがあります。小物は材料費がかからないため、技術の向上に集中できる非常にコストパフォーマンスの高いステップと言えます。
実用性が高いパスケースやカード入れ
基礎的な技術が身についてきたら、次はパスケースやカード入れに挑戦してみましょう。これらは革を重ねて縫い合わせる「マチ」や「ポケット」の構造を学ぶのに最適です。平面的な作品から、少しずつ立体的な構造へとステップアップしていきます。
費用感としては、材料費で1,000円から2,000円程度を見込んでおけば、質の良いヌメ革を使った本格的な作品が作れます。少し贅沢をして、外面だけ高級な革を使い、内側は安価な豚革などで裏地をつけるといった工夫をすれば、見た目の高級感を出しつつコストを抑えることができます。
パスケースなどは毎日使うものなので、経年変化(エイジング)を楽しみやすいアイテムでもあります。自分で作ったものが、数ヶ月後に深い色合いに変化していく様子を見るのは、レザークラフトを趣味にして良かったと感じる瞬間です。この段階から、使う糸の種類やコバの仕上げ方法にもこだわりが出てくるはずです。
製作時間は半日から1日程度かかるようになりますが、その分完成した時の喜びは大きくなります。実用的なアイテムは自分用としてはもちろん、誕生日などの贈り物としても非常に喜ばれるため、趣味としてのモチベーションがぐっと高まる時期でもあります。
憧れの本格的な財布やミニバッグ
多くのレザークラフト愛好家が目標とするのが、長財布や本格的なバッグです。これらはパーツ数が多く、工程も複雑になります。ファスナーの取り付けや、立体的な組み立てなど、これまでの集大成とも言える技術が求められます。
材料費は、長財布で3,000円から7,000円、ミニバッグになると5,000円から15,000円程度かかることもあります。使用する革の量が増えるだけでなく、芯材(形を保つための素材)や内装用の布、高品質なファスナーなどの副資材にもお金がかかるためです。既製品を買うのと同等の費用がかかる場合もあります。
しかし、自分で作るメリットは「自分好みのポケット配置」や「理想のサイズ感」を100%実現できることにあります。また、同じ品質のものを有名ブランドで購入すれば数万円、あるいは十数万円することを考えれば、材料費だけで作れるのは非常にお得だとも言えます。
製作には数週間から、大作になれば数ヶ月かかることもありますが、その分じっくりと革と向き合う豊かな時間を過ごせます。ここまで来れば、あなたはもう立派なレザークラフターです。初期に揃えた道具たちが、あなたの相棒として手に馴染んでいることでしょう。
| アイテム例 | 難易度 | 材料費の目安 | 製作時間の目安 |
|---|---|---|---|
| キーホルダー | ★☆☆ | 100円〜500円 | 1時間 |
| コインケース | ★★☆ | 500円〜1,500円 | 3〜5時間 |
| パスケース | ★★☆ | 1,000円〜2,000円 | 半日 |
| 二つ折り財布 | ★★★ | 3,000円〜6,000円 | 2〜3日 |
| ミニバッグ | ★★★ | 5,000円〜15,000円 | 1週間〜 |
レザークラフトの趣味と費用に関するまとめ

レザークラフトは、初期費用として5,000円から10,000円程度の投資をすれば始められる、意外と身近な趣味です。道具を一度揃えてしまえば、その後のランニングコストは非常に低く、自分のペースで長く楽しむことができます。
予算を抑えるためには、初心者キットの活用や、100円ショップでの代用、ハギレパックの利用などが効果的です。最初から完璧を目指して高価な道具を買い揃えるのではなく、少しずつ必要なものを足していくスタイルが、挫折せずに楽しむためのポイントです。
何よりも、自分の手で作り上げた革製品には、お金では買えない価値があります。使うほどに深まる味わいや、自分で修理しながら長く使い続ける喜びは、レザークラフトならではの醍醐味です。この記事を参考に、ぜひあなたもレザークラフトの世界に足を踏み入れてみてください。
まずは小さなキーホルダーから始めてみませんか?その一歩が、あなたの人生を彩る素敵な趣味の始まりになるはずです。費用面での不安を解消し、賢く楽しく、革との対話を楽しんでいきましょう。


