「何か新しい趣味を始めたいな」「運動不足を解消したいけど、激しいスポーツはちょっと…」と考えている大人の方に、今おすすめしたいのがフットサルです。フットサルはサッカーと似ていますが、より少ない人数、より狭いコートでプレーするため、初心者や女性、体力に自信がない方でも気軽に楽しめる魅力がたくさん詰まっています。
この記事では、フットサルがなぜ大人の趣味として最適なのか、その具体的な魅力から、始めるために必要な準備、そして自分に合った楽しみ方まで、やさしくわかりやすく解説していきます。フットサルを通じて、新しい仲間と出会い、心も体もリフレッシュする、そんな充実した毎日を始めてみませんか?
フットサルを趣味にする魅力とは?

フットサルが多くの大人たちを惹きつけるのには、たくさんの理由があります。単なるスポーツとしてだけでなく、ライフスタイルを豊かにしてくれる趣味としての魅力に溢れているのです。ここでは、フットサルがなぜこれほどまでに人気なのか、その核心となる3つの魅力をご紹介します。
サッカーよりも手軽!始めやすさの秘密
フットサルの最大の魅力は、その手軽さにあります。サッカーと聞くと、広いグラウンドで11人対11人というイメージがあり、始めるには少しハードルが高いと感じるかもしれません。しかし、フットサルは1チーム5人、コートの広さもサッカーの約9分の1程度でプレーできるスポーツです。
さらに、フットサルはサッカーに比べて接触プレーに厳しいルールが設けられています。 例えば、サッカーでは一般的なショルダーチャージやスライディングタックルが禁止されているため、怪我のリスクが少なく、性別や年齢に関わらず安全に楽しめるのが特徴です。 こうした始めやすさが、運動経験の少ない大人や女性にとって、新しい趣味としての一歩を踏み出しやすくしています。
運動不足の解消と健康的な体づくり
日々の仕事や家事で、なかなか運動する機会がないと感じている方も多いのではないでしょうか。フットサルは、そんな現代人の運動不足解消に最適なスポーツです。コートが狭いため、サッカーほど長い距離を走る必要はありませんが、攻守の切り替えが非常に速く、常に動き回ることが求められます。
短い時間で走る、止まる、方向転換するといった動作を繰り返すため、有酸素運動と無酸素運動の両方の要素が含まれており、効率的にカロリーを消費できます。プレー中は夢中になっているうちに、自然と心肺機能が高まり、筋力もアップしていくでしょう。
また、フットサルは交代が自由で、一度ベンチに下がった選手も再びプレーに参加できます。 そのため、自分の体力に合わせて休憩を挟みながらプレーできるので、体力に自信がない方でも無理なく続けられるのが嬉しいポイントです。 楽しみながら体を動かすことで、日頃のストレス解消にも繋がり、心身ともに健康的な状態を維持する手助けとなります。
新しい仲間と出会えるコミュニケーションの場
フットサルは、単に体を動かすだけでなく、新たな出会いやコミュニケーションが生まれる絶好の機会でもあります。学生時代のように新しい友人と出会う機会が減ってくる社会人にとって、共通の趣味を持つ仲間ができるのは大きな喜びです。
チームスポーツであるフットサルは、ゴールという共通の目標に向かって仲間と協力し合うことで、自然と会話が生まれ、連帯感が深まります。 試合中の「ナイスパス!」や「ドンマイ!」といった声かけ一つで、初対面の人ともすぐに打ち解けることができるでしょう。
最近では、「個サル(個人参加型フットサル)」という、その日に集まった人たちでチームを組んでゲームを楽しむプログラムが多くのフットサル施設で開催されています。 これなら一人でも気軽に参加でき、フットサル仲間を新しく見つけることができます。 職場や普段の生活圏とは異なるコミュニティに属することで、視野が広がり、日々の生活に新たな刺激と潤いをもたらしてくれるはずです。
初心者がまず覚えたい!フットサルの基本

フットサルを始めるにあたって、複雑なルールをすべて覚える必要はありません。まずはサッカーとの違いや、プレーを楽しむために最低限知っておきたい基本を押さえるだけで、十分に楽しむことができます。ここでは、初心者が安心してコートに立つための基本的な知識をご紹介します。
サッカーとの主な違い
フットサルは「ミニサッカー」のようなイメージを持たれがちですが、ルールや用具にいくつかの重要な違いがあります。この違いが、フットサル特有のスピード感や戦略性を生み出しています。
| 項目 | フットサル | サッカー |
|---|---|---|
| プレー人数 | 1チーム5人 | 1チーム11人 |
| コートサイズ | 約 縦40m × 横20m | 約 縦105m × 横68m |
| ボール | 少し小さく弾みにくい4号球 | 弾みやすい5号球 |
| 交代 | 交代ゾーンからいつでも自由に交代可能 | 決められた交代人数内で、プレー停止時に交代 |
| オフサイド | なし | あり |
| スローイン | キックイン(ライン上にボールを置いて蹴る) | スローイン(両手で頭の後ろから投げる) |
| 接触プレー | スライディングタックルやショルダーチャージは原則禁止 | 認められている |
特に大きな違いは、交代が自由であることと、オフサイドがないことです。 交代が自由なため、体力が続くか心配な初心者でも自分のペースでプレーに参加できます。 また、オフサイドがないことで、ゴール前での攻防が頻繁に起こり、得点が入りやすいエキサイティングな試合展開が楽しめます。使用するボールも、サッカーボールより一回り小さく、弾みにくいローバウンドボールなので、足元でのコントロールがしやすいのが特徴です。
これだけは知っておきたい基本ルール
フットサルのすべてのルールを一度に覚えるのは大変です。まずは、試合の流れに関わる特に重要な4つのルールから覚えていきましょう。
- 4秒ルール
キックイン(サイドラインを割ったボールを蹴って再開するプレー)やフリーキック、コーナーキックなど、プレーを再開する際には4秒以内にボールを蹴らなければなりません。 ゴールキーパーが自陣でボールを保持できる時間も4秒以内と決められています。このルールが、フットサルのスピーディーな試合展開を生み出す要因の一つです。 - 5m(メートル)ルール
相手チームがキックインやフリーキック、コーナーキックでプレーを再開する際、守備側の選手はボールから5m以上離れなければならないというルールです。 これを怠ると、警告の対象となる場合があります。 - バックパスの制限
一度ゴールキーパーにボールを返したら、相手選手がボールに触れるか、ボールがハーフウェーラインを越えない限り、再びキーパーにボールを戻すことはできません。 このルールにより、一方的な時間稼ぎを防ぎ、攻撃的なプレーが促進されます。 - キックイン
サッカーのスローインとは異なり、フットサルではボールがタッチライン(コートの横のライン)を割った場合、キックインでプレーを再開します。 ボールをライン上に静止させ、軸足がラインを踏まないように、またはラインの外に出した状態で蹴り入れます。
これらの基本的なルールを頭に入れておくだけで、試合の流れを理解しやすくなり、プレーにスムーズに参加することができます。
各ポジションの役割と動き方
フットサルは5人制のため、選手一人ひとりの役割が重要になります。ポジションは大きく分けて4つありますが、攻守の切り替えが速いため、全員で攻撃し、全員で守るという意識が大切です。
- ピヴォ(Pivo)
ポルトガル語で「軸」を意味し、主に相手ゴールに一番近い位置でプレーする、攻撃の起点となるポジションです。相手ディフェンスを背負いながらパスを受け、反転してシュートを狙ったり、味方へのパスの供給源となったりします。 - アラ(Ala)
ポルトガル語で「サイド」を意味し、コートの両サイドに位置するポジションです。攻撃時にはドリブルで仕掛けたり、ピヴォへのパスを供給したりします。守備時には相手のアラをマークし、サイドからの攻撃を防ぐ重要な役割を担います。運動量が最も求められるポジションの一つです。 - フィクソ(Fixo)
ポルトガル語で「固定された」という意味で、ゴールキーパーの前に位置する、守備の中心となるポジションです。相手の攻撃の芽を摘み、味方への的確な指示でディフェンスラインを統率します。攻撃時には最後方からゲームを組み立てる司令塔の役割も果たします。 - ゴレイロ(Goleiro)
サッカーでいうゴールキーパーです。手を使える範囲は自陣のペナルティエリア内のみですが、足でのプレーも多く求められます。的確なセービングはもちろん、スローイングによる素早いカウンター攻撃の起点にもなる、攻守にわたって重要なポジションです。
初心者のうちは、まずは特定のポジションにこだわらず、コート全体を動きながらボールに関わる意識を持つことが楽しむための第一歩です。 プレーを重ねるうちに、自然と自分に合ったポジションが見つかるでしょう。
フットサルを始めるために必要な準備

フットサルを始めようと決めたら、次に気になるのが用具の準備です。サッカーのように多くの道具が必要なわけではなく、比較的手軽に始められるのもフットサルの魅力の一つです。ここでは、最低限必要なものから、あると便利なアイテム、そして気になる初期費用について解説します。
最初に揃えるべき必須アイテム
まずは、これだけあればフットサルを始められるという基本的なアイテムを4つご紹介します。最初はレンタルで済ませることも可能ですが、続けるうちに自分のお気に入りを見つけると、モチベーションもさらにアップします。
- フットサルシューズ
最も重要なアイテムです。フットサルコートの多くは、安全上の理由からサッカースパイク(靴底に突起があるもの)の使用を禁止しています。 そのため、必ずフットサル専用のシューズを用意しましょう。フットサルシューズは、主に靴底がフラットな飴色のゴムになっている「インドア(体育館)用」と、靴底に小さなゴムの突起が多数ついている「アウトドア(人工芝)用」の2種類があります。 プレーするコートの種類に合わせて選びましょう。 - ウェア(シャツ・パンツ)
最初は動きやすいTシャツや短パンで十分ですが、本格的に楽しむなら吸汗速乾性に優れたスポーツ用のウェアがおすすめです。 フットサルは非常に汗をかくスポーツなので、快適にプレーするためにも機能性の高いウェアが役立ちます。デザインも豊富なので、お気に入りのブランドやデザインで個性を出すのも楽しみの一つです。 - ソックス
シューズと同様に、専用のソックスを用意することをおすすめします。 フットサル用やサッカー用のソックスは、一般的な靴下よりも厚手で丈夫に作られており、靴擦れを防いだり、足への衝撃を和らげたりする効果があります。 膝下まで長さのあるタイプが主流です。 - 着替え・タオル
プレー後は大量の汗をかきます。風邪をひかないためにも、着替えと汗を拭くためのタオルは必ず持っていきましょう。 多くのフットサル施設にはシャワーが完備されているので、利用するとさっぱりして帰宅できます。
あると便利!快適性を高めるグッズ
必須ではありませんが、持っているとより快適に、そして安全にフットサルを楽しめるアイテムもあります。少しずつ揃えていくのも良いでしょう。
- シンガード(すね当て)
相手選手との接触や、ボールが強く当たった際にすねを保護するための防具です。 フットサルは接触プレーが少ないとはいえ、不意に足を蹴られてしまう可能性はゼロではありません。 安全にプレーするため、特に試合形式でプレーする際には着用が推奨されます。大会によっては着用が義務付けられている場合もあります。 - インナーシャツ・スパッツ
夏は汗の吸収を助け、冬は保温効果があるため、季節を問わず快適なプレーをサポートしてくれます。 また、適度な着圧があるものは筋肉のブレを抑え、パフォーマンス向上や疲労軽減の効果も期待できます。 - 大きめのバッグ
シューズ、ウェア、タオル、飲み物など、フットサルには意外と荷物が多くなります。 全てを収納できる大きめのスポーツバッグがあると、持ち運びが非常に便利です。バックパックタイプやショルダータイプなど、自分のスタイルに合わせて選びましょう。 - フットサルボール
チームで活動したり、個人で練習したりするようになると、自分用のボールが欲しくなるかもしれません。フットサルで一般的に使われるのは、4号球のローバウンドボールです。 自主練習をする際にマイボールがあると、スキルアップに繋がります。
気になる初期費用はどれくらい?
フットサルを始めるために必要な初期費用は、選ぶアイテムのブランドや価格帯によって大きく変わりますが、一式をリーズナブルに揃えることも可能です。
| アイテム | 価格帯(目安) |
|---|---|
| フットサルシューズ | 3,000円 ~ 15,000円 |
| ウェア(上下セット) | 3,000円 ~ 10,000円 |
| ソックス | 1,000円 ~ 3,000円 |
| 合計 | 7,000円 ~ 28,000円 |
これに加えて、プレーする際の施設利用料がかかります。後述する「個サル」への参加費は、2時間で1,500円~2,000円程度が相場です。他の趣味と比較しても、比較的少ない費用で始められるのがフットサルの魅力の一つと言えるでしょう。
自分に合ったフットサルの始め方を見つけよう
フットサルに興味を持ち、準備も整ったら、いよいよプレーの場を探しましょう。フットサルには、一人で気軽に参加できるものから、仲間とチームを組んで本格的に楽しむものまで、さまざまな楽しみ方があります。 ここでは、代表的な3つの始め方をご紹介しますので、ご自身のライフスタイルや目的に合った方法を見つけてください。
一人でも気軽に参加できる「個サル」
「フットサルを始めたいけど、一緒にやる仲間がいない…」「チームに所属するのは少し気が重い…」そんな方に最もおすすめなのが「個サル」です。 個サルとは「個人参加型フットサル」の略称で、フットサル施設などが主催し、その日に集まった参加者たちで即席のチームを作ってゲームを楽しむプログラムのことです。
また、多くの施設では「初心者クリニック」「エンジョイクラス」「女性限定」など、レベルや目的に合わせたカテゴリー分けがされているため、自分と同じくらいのレベルの人たちと安心してプレーできます。 ここでの出会いがきっかけでフットサル仲間ができ、チーム結成に繋がることも珍しくありません。フットサルを始める第一歩として、まずは個サルに参加してみるのが良いでしょう。
仲間と楽しむ!チームへの所属や結成
職場の同僚や友人など、一緒にフットサルをやる仲間が5人以上いる場合は、自分たちでチームを結成するのも楽しみ方の一つです。自分たちのペースで練習したり、フットサル施設が主催する大会に参加したりと、活動の幅が広がります。仲間と共通の目標に向かって練習し、試合で勝利した時の喜びは格別です。
もし周りに仲間がいなくても、既存のチームに参加する方法もあります。インターネットの掲示板やSNS、フットサル施設での募集などを通じて、メンバーを募集しているチームを探すことができます。チームに所属することで、定期的にプレーする機会が確保でき、より戦術的なフットサルの面白さに触れることができるでしょう。
ただし、チームに所属する場合は、練習や試合への定期的な参加や、チームの会費などが発生することがあります。自分のスケジュールやフットサルにかけられる時間、費用などを考慮して、無理なく続けられるチームを選ぶことが大切です。
基礎から学べるフットサルスクール
「どうせ始めるなら、基礎からしっかり学びたい」「自己流ではなく、正しい技術を身につけたい」という向上心のある方には、大人のためのフットサルスクールがおすすめです。
フットサルスクールでは、日本サッカー協会公認のコーチなど、専門のインストラクターが「止める・蹴る・運ぶ」といった基礎技術から、戦術的な動き方まで、レベルに合わせて丁寧に指導してくれます。 同じように上達したいという目的を持った仲間が集まるため、モチベーションを高く保ちながら練習に取り組むことができます。
いきなりゲームに参加するのが不安な初心者の方でも、スクールで基礎を学ぶことで自信を持ってプレーできるようになります。 多くのスクールでは体験レッスンを実施しているので、まずは一度参加してみて、雰囲気や指導内容が自分に合っているか確かめてみるのが良いでしょう。個サルと並行してスクールに通い、スキルアップを目指すのも効果的な方法です。
まとめ:フットサルの趣味としての魅力と始めやすさを再確認

この記事では、大人の新しい趣味としてフットサルをおすすめする理由、その魅力と具体的な始め方について解説してきました。
フットサルは、サッカーに比べて少ない人数、狭いコートで気軽に始められるスポーツです。 接触プレーが少なく安全性が高いため、性別や年齢、運動経験を問わず誰もが楽しめます。 自由な選手交代ルールは、体力に自信がない方でも自分のペースで参加できる大きな魅力です。
趣味としてフットサルを始めることで、運動不足の解消や健康維持はもちろんのこと、チームプレーを通じて新しい仲間との出会いも期待できます。 日常のストレスを発散し、心身ともにリフレッシュする絶好の機会となるでしょう。
始めるにあたって必要な用具も比較的少なく、初期費用も抑えられます。「個サル」を利用すれば、一人でもすぐにプレーを始めることが可能です。
もしあなたが新しい趣味を探しているなら、ぜひフットサルの世界に一歩踏み出してみてください。ボールを蹴る楽しさ、ゴールを決める爽快感、そして仲間と分かち合う喜びが、あなたの毎日をより一層豊かでアクティブなものに変えてくれるはずです。



コメント